【書評】さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
山田真哉さんという公認会計士さんが、初期の頃に出版した本です。
エッセイのような文体で書かれているのでスイスイ読むことができます。
山田さんはテレビ出演されていたり、YouTubeも人気ですが、文学部出身ということは知りませんでした。
この本を今回読んだことで、会計士という職業と、「文学・芸術・サブカル」という切り口を掛け合わせて差別化されていることに気づきました。
人に読まれやすい文章は、読んでいて、楽しいと感じるものなのだなと改めて思いました。
・さおだけ屋が儲かっていないように見えるのに、潰れない理由
→金物屋など本業が別にある事業者が、移動の帰りに副業でやっているから。
→さおだけだけではなく、設置台を数万円で売るなど、クロスセルで客単価を上げているから。
・住宅地にある高級フランス料理屋が客が入っていなそうなのに、強気の価格で営業を継続できている理由
→フランス料理教室もやっているから。
・目標は低くすると機会損失(チャンスロス)につながる。
→山田さんはいきなり簿記2級から挑戦して、その後1級→会計士と合格した。
友人は簿記3級からはじめて2級→1級→会計士とゆっくりステップを踏んだので、山田さんと差が生まれた。
・数字を混ぜて提案すると説得力が増す。
例:×「この本は売れると思います、意外と読者は多いはずなんです!」
〇「会計士・簿記の受験者数から推定すると、会計人口は300万人いる。そのうちの0.1%の人にウケれば、3,000部は売れます!」
・「木を見て森を推測する」
会計士は監査の時に、どれか一部の数字を選んで正確性を確かめることで、帳簿全体の信頼性を判断している。
一部分を見て、全体を推測するのは、初対面の人を判断したり、会計以外のことにも使える。